国民皆保険医療を崩壊へ導くTPP参加断念を求める要請(2013年2月27日)

2013年2月27日

愛知県および東海ブロック選出 地元国会議員 各位

愛知県社会保障推進協議会
議長 森谷光夫
(名古屋市熱田区沢下町9-7)

国民皆保険医療を崩壊へ導くTPP参加断念を求める要請

拝啓 貴職におかれましては、日頃より国政の重責を果たされていることに心より敬意を表します。私ども愛知県社会保障推進協議会は、愛知県内の医療関係団体、業者団体、労働組合などで構成し、国の社会保障制度を守るために活動しています。国民皆保険を守る立場から、TPP(環太平洋連携協定)参加を断念するよう求めます。
2月22日、安倍晋三首相は「日米首脳会談で、聖域なき関税撤廃が前提でないことが明らかになった」として、TPP(環太平洋連携協定)の参加交渉に踏み出す決意を表明し、政府の専決事項として早い段階で決断するとしています。
会談後に発表された共同声明は、冒頭で、「日本が交渉に参加する場合には、全ての物品が交渉の対象とされること、及び、日本が他の交渉参加国とともに、2011年11月12日にTPP首脳によって表明された『TPPの輪郭(アウトライン)』において示された包括的で高い水準の協定を達成していくことになることを確認する」としています。「TPPのアウトライン」では、関税と非関税障壁の撤廃が原則と明記しています。つまり、「聖域」など存在しない旨を確認したことにほかなりません。
その上で、「両政府は、最終的な結果は交渉の中で決まっていく」ことから、「交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することを予め約束することを求められるものではないことを確認する」としています。最終結果は交渉次第となり、交渉参加の時点で全ての関税の撤廃を予め約束する必要はないということにすぎません。交渉の結果として、「例外」品目が認められることは何も保障されていません。
アメリカは国民皆保険制度を市場としてとらえ、日本政府に対して、一貫して市場化・営利化を迫ってきました。日本がTPPに参加すれば、国民皆保険制度が非関税障壁とされて、公的給付範囲が限定・縮小される一方で、公私2階建ての混合診療が全面解禁となっていく可能性が高くなります。制度は残っていても、「いつでも、誰でも、どこでも」受けられる国民皆保険医療ではなくなり、医療や薬の有効性、安全性の水準もTPP参加国の水準にあわせて引き下げられかねません。わが国の医療が営利産業化するならば、受けられる医療に格差が生じる社会となることは明らかです。
国民皆保険制度を守るためにも、TPP参加断念に向けてご尽力いただくようお願い申し上げます。

敬具

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