社保協ニュース : No.159 – 2016.1.25

広げよう!「必要な医療と介護は、国の責任で」
社会保障改悪許すな!医療と介護の充実を!県民の声を署名に集約しよう!

安倍政権は、社会保障のかつてない大改悪を進めています。格差と貧困が拡大し、「生存権」保障に目を向けず、平和と民主主義を脅かす政府に、その怒りは世代を超えて広がっています。必要な医療と介護は国の責任で。安心して生きられる国へ。だれもが安全・安心の医療と介護を受けられるよう、署名がはじまっています。3
1月21日、愛知社保協は日泰寺宣伝行動。13人の参加で、国への社会保障改善署名79人、名古屋市国保改善署名75人から頂きました。署名用紙入りティッシュは、500人の方に受け取って頂きました。この日は日射しもあって暖かく、沢山の参拝者が訪れていました。1


地域医療充実について愛知県交渉実施!

1月15日、「地域医療充実についての要請」11項目について県当局との交渉を行いました。 これには、県社保協に参加する医労連・民医連・保険医協会、県社保協の代表9名(全医労も医労連代表として長尾が参加)が参加。県の担当部局からは10人が参加しました。
「医療・介護総合法」による「地域医療構想」策定は、大詰の段階です。地域医療構想の策定は、病床削減ありきではなく、必要病床が足りない地域の医療・介護の確保こそ重点に具体化を。また、医師・看護師を確保し、先ず病床不足の医療圏の充足を、と要望しました。4
交渉で引き出した県側の回答・意向等
①地域医療ビジョンの策定では、12月18日に医療体制部会を開催し、必要病床数の推計等を行い、現在圏域ごとのワーキンググループで調整中。2月19日に医療体制部会で県の素案を検討し、パブコメや意見聴取の予定。今年度中(3月末)には答申、公示できるよう努力している。
②構想区域単位として2次医療圏の「尾張中部」と「名古屋」を一つにして検討している。国のデータからも「尾張中部」からは「名古屋」へ患者の流入が多く、また「尾張中部」医療圏自体が人口も面積も小さく国からも問題視されていた。次期「地域医療計画」見直しの時には2次医療圏としても合区することを前提に検討している。
③「基金」の平成27年度予算は、県の当初計画42億円であったが、7月に示された第一次分では、わずか12億円しか認められず、県としては次年度以降に回せる予算は削って、さらに国側の意向である療養病床整備への補助について大きく積み増しして、何とか前年並みの32億円の予算内示になった。療養病床への転換補助は1床あたり百万円で総額14億円。それにより療養病床を2,900床整備の目標となる。
④「医療勤務環境支援センター」は1月22日まで公募し、1月中に企画コンペを行い委託先を決め、2月以降運用を目指している。委託となっても、県が関与しコントロールしていくので問題はない。
⑤医師不足は引き続き深刻で、2012年度末、人口10万人当たり医師数が全国36位であったが、昨年末発表された2014年度末データではさらに37位へ後退。医師数自体は増えているが全国の増加に追い付いていない状況。目標と聞かれても答えられない。
⑥看護師確保では、年末の国の検討会で「需給見通し」の策定を2016,17年は見送り、2018年度から分を策定していくこととなった。県もそれに合わせて対応していく。県独自の対策会議の予定はない。県として10月に「アンケート」を行った。2月中に集計し、3月には公表する予定である。
⑦「スプリンクラー」の設置補助では、福岡県で事故があって、重点的に予算が認められているようだ。引き続きすべての件が予算認められるよう国へ要請していく。
⑧「結核」の「モデル病床」では、新たに西知多病院で10床承認された。
⑨ドクターヘリ患者搬送問題では、10月の事例を受け、一定の考え方を確認し、3月の会合でも再度検討する予定。円滑な運用が行えるよう対処していきたい。
⑩「第2期医療費適正化計画」では、平均在院日数については平成29年度目標である24.6日に対し、平成26年度で24.2日とクリアしている。こうしたことから医療費の伸びも計画推計値を下回っている。


2015年度の「名古屋市国保と高齢者医療の改善を求める」請願署名、最終集約へもう一回り広げよう!
-名古屋市保険年金課とも懇談

12月24日、第1次分16,980筆を議会事務局に提出しました。 国保制度を守る取り組みは、市民5の命を守り、憲法を暮らしに活かす取り組みです。アベノミクスという一部の大企業やお金持ちにだけに金を回し、庶民は滴り落ちてくるお金を待っていろという、庶民いじめの政治を正す、取り組みでもあります。
今日の繁栄を築いてきたお年寄り、未来を担う子どもたち、払いたくても失業や不景気で困っている方々、この人々にお金を使ってこそ、日本の未来があります。 もう一回りの取り組みをすすめましょう。
2月議会へ向け、最終の集約中です。
なお、1月29日に行った名古屋市保険年金課との懇談では(1)保険料引き下げや減免について、18歳未満の子どもを均等割りの対象としない等、とりわけ、国保財政安定化財源を保険料引き下げに活用することを求めました。また、(2)保険料滞納者への対応として、「資格証」を発行しないことや受給者であっても受療権が剥奪されることがないよう必要な医療の確保を、加入者の生活実態を無視した差押の中止、(3)一部負担金の減免制度について診療開始日への遡及支払等、要望し懇談しました。


国の保険基盤安定制度拡充予算の県内執行状況、財政安定化支援基金や国保運営方針の策定について、レクチャーと懇談を実施

2015年5月に「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」が成立したことを踏まえ、厚生労働省は、平成30年度からの新たな国民健康保険制度の円滑な実施運営に向け、制度の運症や詳細について地方団体との協議を進めています。平成28年1月、国民健康保険における給付金及び標準保険料率の算定について(案)と「都道府県国民健康保険運営方針策定要領(案)」のガイドライン案がしめされました。
県は、「国は27年度保険基盤安定制度(保険者支援分)を拡充し、各市町村は当初予算または補正予算により対応している。保険基盤安定制度負担金は、繰入額に対し国が1/2、県が1/4負担する。また、一般会計からの繰り入れは、市町村ごとの判断」との回答をしています。
懇談では、県の回答と資料に基づき、保険安定化予算の交付状況と今後の活用、運営協議会の設置、設定される「保険料率の標準的な数値算定」等についての進捗状況と今後のスケジュールについて等について説明を受けました。参加者からは、高すぎる国民健康保険料の引き下げに県下からの指導強化、県単独の廃止された「支援制度」復活を求めるとともに、財政安定化支援基金の活用、運営協議会設置にあたっての考え方など意見交換しました。
1月20日の懇談には、社保協からは西村、小松、日下、武田、加藤瑠の5人と、共産党県議団西田、尾張旭市議榊原の両氏計7人の参加でした。


安全・安心の医療・介護大運動交流集会in愛知

2015年12月20-21日、愛知労働会館会場に、全国から150人が,愛知からは52人が参加し学6習交流、意思統一を行いました。
記念講演、「社会保障改革の行方」柴田英昭立教大学教授。国保分科会学習講演は、「2018年国民健康保険はどうなるか~医療保険制度における自治体の役割を考える~」神田氏・神奈川自治労連。続いて、問題提起「市町村国保特別会計をもっと学ぼう~地域での国保料引下げ運動のヒントがそこにある~」。介護分科会の学習講演は、「介護保険制度改革をめぐる情勢」林泰則氏・全日本民医連。問題提起は、「新総合事業の状況と運動仮題~地域から立ち向かうために~」日下部雅喜氏大阪社保協。加えて、7関連する特別報告を受けながら、分科会ごとに議論し、各県に持ち帰りました。2日間の会議は、内容が充実し参加者を激励するものになりました。
介護分科会では、「障害者65歳から介護保険優先」について、愛障協・上田氏から当事者としての現状と要望を発言し、訴えることができました


生活保護支援連絡会総会12月5日
都留民子広島県立大学教授の記念講演
社会保障制度の実現のために 新自由主義との闘いを強調

はじめに、「社会保障」ではなくなる日本の社会保障と指摘し、年金・医療・介護・子育て(保育)、そして生活保護の土台(思想)が投げ捨てられ、「自立自助」「経済給付から自立支援」よりも就労自立支援をキー施策に最優先している。「自助の共同化」をとなえる国民会議の考え方、まさに、席巻する新自由主義思想そのものであり、そして労働者・勤労者階級へ浸透し始めているが、これとの闘いが重要であることを熱弁しました。
新自由主義の台頭を、歴史的にたどりながら、最後に「日本の課題―国民生活のための社会保障制度の創造を」について発言。
資本主義のもとでも幸せなるのを諦めてはならない。
81.「貧困」と「労働(失業)」、すなわち「自立」イデオロギーから脱却、「自立」をいうならば、労働者は企業からの「自立」を=「賃金奴隷」からの脱却、社会給付による生活(生活の社会化)>賃金生活
2.社会保障は弱者の制度ではなく、全国民の「社会的所有」制度、社会保険・生活保護を「社会的所有」へ →「受け身」の闘いではなく、国民の側からの創造運動を→「福祉国家」の建設????
3.財政破綻論(「ショックドクトリン」)のトリックを見破る=緊縮財政策の打破をが重要である。
公的債務(政府・自治体)の負債総額 1200兆円強(GDP2倍、1人当たり870万円以上)→ギリシャになると国民を脅しながら、消費税10%、20%へと突破していこうとしている。しかし、資産総額 1,100兆円(金融資産494兆、固定資産579兆)強=正味資産 36兆円(*山家悠紀夫(元神戸大学教授)『消費税増税の大ウソ:「財政破綻」論の真実』大月書店 2012、*高橋洋一(元財務官僚)『日本は世界1位の政府資産大国』講談社 2013年)。さらに重要なのは、国債は国の借金ではなく、「政府の借金」そして「国民の債権」
国債保有者(2010年):郵貯22.8% カンポ10.2% 一般銀行13.4% 民間保険会社13.5% 公的年金11.7%、日銀8.2% 個人投資家5.3% 海外投資家6.4% その他8.5%。つまり原資は国民 政府債務が増加するごとに肥え太る日本郵政・銀行。国債による高率の利子(0.1〜0.4)による肥え太り他方で、庶民の預金金利は0.02~0.03(大口定期 0.15~)
「欺瞞的数字や論戦に負けることなく、国民の社会保障を充実させるためにの本格的な戦いが必要である」との、確信に満ちたお話が参加者を励まし、大変好評でした。


第4回口頭弁論、大法廷いっぱいの傍聴。次回、3月17日にもあふれる傍聴で圧倒しよう!

11月12日(木)午後2時15分から名古屋地方裁判所1階の大法廷で開廷されました。この日は、①原告の主張の補充、として原告弁護団から憲法25条・国際人権規約、生活保護法に関する主張の補足、②被告から求釈明申し立てにたいする回答の提出、③原告第4準備書面の「第2」の部分に対する被告からの反論の提出が行われました。また、裁判終了後、報告集会には65人が参加しました。
9報告集会の中で森弁護士はこの日の裁判についてのポイントを以下のように説明した。
「被告の方は『憲法25条には広い裁量がある』と主張している。確かにこれまでいろんな裁判例があって、『国ができることについては裁量の余地がある』とも言われている。しかし、その裁量をなんでもいいんだということになると、今回の基準引き下げだって、『それくらいのことはいいんだ』とか許されてしまう。そうさせないことがいま大事。国際人権法のうえからも問題。
そのためには、一つは、まず『国際人権法』、日本も認めて批准している。条約を自ら署名し効力を認めている。その条約によって、裁量が厳しく絞られる。日本の国は自ら条約を認めて、書面しているにもかかわらず、裁判所がかなり無視してしまう。裁判の中でも条約のことをふれている判決はそうない。社会権規約を軽視している。それについて監視しているわけだが、日本の裁判所に、十分勉強で規定なんじゃないかといわれている。その中で大事なことで、制度後退禁止の原則。一度定めた原則を後退させることは、許されない。社会権規約に書いてある。いろんな選択肢があるんだが、それを全部考え、検討してそれでもだめだというときに認められる。自分の国が利用可能な最大限の資源、予算とかが優先しているけれども、大臣が自由に裁量で決めていいということでなく、制度後退禁止・させることがいかん。厚労大臣の「裁量」も厳しいものである。
生活保護法にも違反、「物価下落の時でも生活保護基準は引き下げない」大臣答弁
もう一つは、生活保護法に従っても、憲法25条は大事な権利。生活保護、生存権にとっても大切で裁量権が縛られる。生活保護法を立法する過程で、厚労大臣が国会の委員会で、「物価下落の時でも生活保護基準は引き下げない」といっている。大事なこと。
「健康で文化的な生活水準」とは過去の裁判例では、抽象的で相対的概念、ピシッと決まっていない。立法担当者自身は、「相対的抽象的な物でなく、実質的に最低限度の生活を保障する一定の水準として客観的に把握できる」もの。ある時、その基準は決まる。それを専門の機関・社会保障審議会(前・社会保障制度審議会)が定めることを重視している。さらに、保護の基準は、合理的な基礎資料として算定、その過程に政治的色彩が混入してはならない。
2013年から、自民党のマニフェストに「生活保護基準10%引き下げる」と書いている。そういった状況の中で、最大「10%下げられている」。これは政治的色彩がかなり混入しているのではないか。そういうことはやってはいかんと立法担当者は言っているのだが。合理的基礎資料とは、社会保障制度審議会の最低生活基準の調査・研究の完了によって。となると今回、決定は「90億」の引き下げ、それも問題有といっていた。しかるに、580億引き下げた、それはおかしいんじゃないの、そんな裁量なんてないよ。と我々は主張した。抽象的なことで、わかりにくいかもしれないが、重要なことた。証拠も出した。求釈明、質問した。回答が来たけれども、きちんと回答していない。もう一度、回答を求めることと、回答が来たものに再度反論する。
裁判所は、全体のところでは見せないが、進行協議のところでは、司法修習生の「奨学金」裁判の時でも、裁判官、書類だけでなくは口頭で述べることに対し制限するという点で問題。ほんらいは「口頭弁論」だから、発言するのが自由なはずだけれど、なるべく文書で済ませようとしている。口頭弁論では裁判が成り立たなくなってしまうとも言っている。
今後の主張は、「物価が下がっている」は正しいのか、生活保護CPIについても、その次にこちらの主張は、アンケートもやっている、生活保護基準部会がやってきたことについて、次回が3月17日、次々回と続くが、裁判へのご支援をお願いしたい。第2次提訴も準備している、その点もまた、ご支援ください。
(次回)第5回口頭弁論、3月17日(木)名古屋地方裁判所大法廷

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