社保協ニュース : No.160– 2016.3.25

3月19日戦争法廃止を求める集会に 2800人が集い、デモ行進

3月19日の土曜日、戦争法の廃止を求める1-1集会が弁護士会主催で白川公園にて開催された。集会には、2800人が参加し、代表者のリレートークの後、「安保関連法の廃止と立憲主義の回復を求める集会宣言」を確認し、栄までデモ行進しアピールした。
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3・19医療・福祉・介護ウエーブ
70名が宣伝署名行動、合計248筆を集約

集会・デモの終了後、「3・19医療・介護・福祉ウエーブ」が栄・三越前を中心に行われた。愛知県医労連・愛知民医連・自治労連愛知県本部主催の「ドクター・ナース・介護・ウエーブ」が、愛知社保協と福祉予算削るな!福祉を金儲けにするな!愛知県民集会の共催に広がった。2-1
医労連、民医連、福祉保育労、愛障協等から70人が行動に参加。ハンドマイクで訴えながら団体ごとに準備した署名を訴え、こなつ36、介護9、戦争法27、医療・社保69筆の合計248筆の協力を得た。とりわけ注目を受けたのは、「保育所落ちたの私だ!」のボードを掲げ訴えた保育関係者。
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<今後の予定>
署名宣伝行動:4月21日 日泰寺 10:00~
5月1日メーデー 9:00 ~ 白川公園(北西入口を中心に)
その他、月1回の地域や病院前での宣伝・署名行動を各地域団体に呼び掛けている。

最低生計費調査中間報告

愛労連が昨年秋から取り組んできた最低生計費調査の結果をまとめて中間報告にしました。
すでに名古屋の結果は1月の臨時大会で報告していますが25歳のモデルで年間270万円が必要という結果が出ています。3-1

家賃は最低、持ち物は7割が持っているもので
調査は全体で約千人に生活調査と持ち物調査を行い、委員会で議論して標準的な生活モデルを決定しました。
家賃は名古屋市中川区の住宅情報でもっとも安い45,00円、食費は最低限の消費エネルギーを確保するために必要なものなどから計算しました。
生活に必要なものは持ち物約500品目を数え上げ、7割以上の方が持っているものを必需品とし、市内の店で若者が買いそうな値段を調査してきました。
豊橋市では289万(参考値)
豊橋市内からのサンプル数が40と少ないため参考値ではあるが、名古屋と同様の手法で算したところ289.5万円となりました。家賃が32,000円と安くなるものの公共交通手段が少ないため車が必需品となっていました。7年落ちの中古軽自動車として諸費用を計算したところ交通費が名古屋に比べて月2.5万円も多くなりました。
国の地域手当では10%もの差3-2
ところが国家公務員の地域手当は3%で名古屋市の15%と比べて12%も低くなっています。これは自治体労働者の賃金にも大きな影響を与えています。
若者・非正規労働者の大幅な賃上げを
非正規労働者の半数が年収250万円に届かず厳しいくらしを余儀なくされています。(中日1/24)
各職場に多くの非正規労働者がいます。安倍首相は「同一労働同一賃金」を言い出しましたが、ヨーロッパでは多くの国でそうなっています。これを選挙前の口先だけに終わらせないためには労働基準法に明記することが重要です。

保育園も賃上げが必要

「保育園落ちた 日本死ね!」のつぶやきから大きく広がった保育園待機児問題。全国各地で定員を大幅にオーバーする申し込みがあるいっぽうで、保育定員に余裕があっても保育士が不足して子どもを受け入れられない保育園もあります。(朝日3/18)
記事によれば保育士の賃金は労働者全体の平均にくらべ月11万円も少ないため、保育資格があっても保育士にならない人が多いとされています。
安上がりの保育園も4-1
この間、「官から民へ」と全国の自治体で保育園の民営化・民間委託が広がってきました。その結果入札ごとに委託費が下げられ保育士の賃金低下を招いています。
また、政府は認可保育園以外の保育サービスを拡大してきました。その中には子どもの数にくらべて少ない保育士が少なく過重な労働になっているわりに給料は極めて少ない事業所や、経営者が儲け主義で保育士の給料をとても安くしているところも少なくありません。
介護賃上げ法案を「自公お」が否決
保育士と同じく賃金の低さが言われている介護職員の賃金を引き上げるための法案が野党の共同提案で提出されました。しかし、自民・公明・おおさか維新がこれに反対。国会で否決されてしまいました。
これでは介護職員の離職がとまらず、施設だけつくっても職員が足らず「介護離職ゼロ」どころではありません。

介護職 賃上げ1万~6千円  野党5党が賃上げ法案提出

3月2日に野党5党(民主、共産、維新、生活、社民)が、介護職員等の処遇改善法案を共同提出しました。賃上げ方法は2段階。従前の「介護職員だけ」であれば1万円アップ、「その他の従業者」も対象とした場合は6千円アップとしています。
定期昇給だけでは介護職の離職は止められません。5野党が提出した介護職賃上げ法案を追い風に、介護職の賃上げを必ず前進させましょう!
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後期高齢者医療制度保険料値上げ愛知県広域連合
平均保険料1,891円値上げ一人当たり84,035円に

2016年度の保険料は、2月の広域連合定例議会で議決された。所得割率が9.00%から9.54%に、均等割額は45,761円から46,984円に改定された。連続値上げで当初より5200円の引き上げである。高い方の上位は東京95,492円、神奈川91,585円、愛知84,035円、大阪80,880円であり、愛知は3位となる。当局は、「27年度末の剰余金100億円を全額投入した」と説明する。しかし、剰余金は保険料によるものであり、もう一つの財源である安定化基金を活用すれば値上げは回避できたと考えられる。
トップの東京は、今期保険料を値下げした。また、独自の軽減措置を設け、あまりにも高すぎる保険料負担軽減措置をとっている。愛知県の広域連合の説明でも、「保険料が高すぎて、制度が破たんしないための措置」と説明する。大阪も値下げをしたため、愛知が値上げしたため、順位が逆転した。県の独自の保険料軽減制度を持つのは東京都と石川県であることが分かった。
広域連合議会へ、高齢者の実態を把握し「高すぎる保険料」の引き下げを要望
3月3日後期広域連合議会事務局と、愛知社保協と年金者組合の代表7名で懇談した。
保険料引き上げに当たって、「あと31億円投入すれば値上げしなくても済んだ」「保険料滞納者が増加し、差し押さえも進んでいる」「愛知の年度の剰余金は100億、全国は800億円累計で5400億円となっている」ことを示しながら、高齢者から搾り取った結果、5400億円という多額のため込みがされていることを指摘。保険料の軽減にこの財源を活用し引き下げることを求めた。
懇談会の公募委員については、神奈川・北海道など6道県で公募を実施。愛知のみが無作為抽出方式で、他県で広報紙やHPで募集している。
葬祭費の申請勧奨実施県が9つあることも回答された。愛知県は、市町村にデータ提供をして市町村が申請勧奨をしていると説明し、同様の県が11県あることがわかりました(県名は公表できないとのこと)。広域連合は、高額医療・介護合算療養費の個別通知をしていますが、同様に葬祭費の申請勧奨通知を広域連合自身が通知することは可能ではないかと質したところ、「検討できる」との回答を得た。
後期高齢者医療制度への不服審査請求、口頭陳述3月23日に開かれた。20名が傍聴する中で、10名が意見陳述した。

愛知社保協発行「知っトクパンフ2016年版」愛知県内5万冊、全国版も20万冊
社保協内でも大好評で広がっています

3年ぶりに改定した2016版は、例年にも増して好評で、県内配布予定の5万冊を超え広がっている。なかでも、愛知県保険医協会の普及状況(3月23日現在)は、市民2,793人から4,192冊(最初の5日間で2,500人突破)会員306人から23,808冊と、当初予定を大幅に上回り、全国版を追加して普及している。読者からの感想を一部紹介する。
寄せられた「ひとこと」
<負担軽減例のお礼やパンフの感想>
〔ありがとうございます。〕
・65歳妻が2月2日に脳出血で倒れ、混乱状態でいた時、東京新聞で見た情報でした。この先大いに役立つ情報として大切に参考にさせていただきます。(埼玉県春日部市・男性・67歳)
・保険医協会に電話して相談させていただきました。わかりやすく親切でした。相談内容についての負担軽減はありませんでしたが、すっきりしました。(名古屋市中区・女性・57歳)
・とてもわかりやすくまとめてあり、職員15人全員に配りたい。(名古屋市守山区・訪問介護サービス事業者)
〔知らないと損ですね〕
・確定申告に際する親切な解説が満載で、この冊子に早く出会えなかったことを悔やんでいます。(東海市・男性・87歳)
・父が介護1となりわからないことばかり。このパンフレットをもっと早く知っていたらよかった。(刈谷市・女性・41歳)
・知らなかったことや、さまざまなことがとにかくわかりやすく書かれているのがありがたいです。役所等では、どれだけ聞いても難しい言葉を並べられるばかりで、こちらも理解できかねます。はじめからこの冊子のようなことがわかっていたら、払い過ぎている分が戻ってきて、少しは生活が楽になると思いました。(稲沢市・女性・30歳)
<税金が軽減された例>
【医療費控除の活用例】
・医療費が10万円以下でも対象となることがあるというのを活用して、国税還付を受けました(25年・26年・27年分)。(名古屋市千種区・男性・79歳)
・医療費控除の対象に介護保険のデイケア利用料が対象となることがわかり、2017年の申告に利用します。(岡崎市・男性・73歳)
【障害者控除など税の還付を受けられた】
・父が要介護2になり、障害者控除が受けられました。さらに、デイサービス+医療で医療費控除を申告したら、住民税が前年の1/8に減額できました。(名古屋市緑区・女性・55歳)
<医療費負担が軽減された例>
【高額療養費の活用例】
・高額療養費制度の70歳以上を活用し、「限度額適用認定申請書」の交付を受け、軽減できました。(浜松市・男性・72歳)
・同居の母ですが、世帯分離をしており、そのおかげで遺族年金のみなのですが限度額適用認定申請書を受けて自己負担限度額を8,000円にすることができ、とても助かっています。(名古屋市緑区・女性・54歳)
【福祉給付金で医療費が無料になった例】(愛知県独自制度)
・福祉医療費給付の制度の対象となる一人暮らし、非課税世帯の後期高齢者に私の母が該当すると思って役所に言ったらやはり対象者でした。今まで父が亡くなって10年近く医療費を払って来ましたが本当はゼロだったんですね。不勉強を恥じています。役所では、すみませんと担当者は言ってくれましたが、残念です。(日進市・男性)

第17回愛知社保学校 記念講演

「全世代におよぶ貧困の連鎖と社会保障の課題―『一億層活躍社会』批判」、蓑輪明子名城大学経済学部助教授より
愛知社保協と愛労連の共催で開かれる愛知社保学校も17回を迎えた。記念講演と、キャラバンのまとめ報告、「知っトクパンフ2016年版」の紹介を行った。
記念講演は、名城大学経済学部助教の蓑輪明子さん。
講演は、「不安定雇用の増大、正規労働者の処遇切り下げ、長時間労働の常態化など、労働の不安定化が加速する中で貧困が拡大している。②正規雇用労働者の減少は3/4は若者世代であり、女性就労者2300万人の6割が非正規雇用であることなど、しわ寄せが若年世代と女性に集中している。③1990年代、2000年代の『不況』克服の名による企業の労働者使い捨てによって、今日の労働力浪費型社会が生まれている。④さらに、生活保護法や子ども子育て支援法にも見られる、日本社会の根底には社会保障や教育を含む社会支援が、家族の費用負担、ケア負担を前提に構築されているという戦前の救護法以来続いてきた家族主義党がある。年金、医療、介護、生活保護等、個々の社会保障精確批判にとどまらず、企業の利益追求の構造の転換を求めるたたかいなしには、今日の不安定化した労働と生活の改善はない」と明確な分析と説明がされた。世代を超えた貧困の拡大とその連鎖が広がる中で「的を得た講演」、「わかりやすく女性の視点が入ってよかった」と大変好評。続いて、「キャラバンのまとめ」は、小松社保協事務局長から、「知っトクパンフ2016年版」については、日下社保協事務局次長・保険医協会事務局次長から行い、各地での学習会の開催を呼びかけた。

あたらしい総合事業―名古屋市の対応に注目
愛知社保協・ケアマネの会主催に130名超え参加

2月13日(土)午後、労働会館東館ホールにて、愛知社保協・ケアマネの会は第17回例会で「名古屋市の新しい総合事業をくわしく知ろう」の学習会を開催した。当初の予想を大きく超える131名が雨模様の中参加し、名古屋市介護保険課長の小杉政巳氏から説明を受けた。名古屋市は6月から新総合事業をスタートさせるとしているが、介護予防・日常生活支援総合事業についての説明がまだまだ足らない、中身が伝わらないと、今回の学習会に期待が集まったといえる。1時間の説明後、40分の質疑応答。ケアマネジャー、保健師、サービス事業者など現場の担当者等10名から質問があった。①6月から8月の間、要介護認定の更新を受ける人にどう対応すればよいか」「緩和型の訪問介護や通所介護では、介護報酬が7割あるいは8割に減額される。事業者としては対象者の受け入れ、採算問題含め消極的な考えもでる」など、具体的な質問・意見が続き課長からは丁寧な回答があった。また、介護の会の中村さんの質問に対し「名古屋市の場合、地域ケア会議は各行政区単位を行う。埼玉県や三重県桑名市のように要支援該当者を『新しい総合事業』に振り分けるためのケアプランチェックは考えていない」など回答。今後、関係者への情報の徹底はもちろん、市民への周知も大きな課題である。政令都市の中では、「緩和型サービス」を先んじて導入する名古屋市に注目が集まる。県下では、2015年4月高浜市、2016年4月北名古屋市、春日井市、弥富市、豊山町、同6月名古屋市、同10月日進市に加え、新たに同3月豊明市、同7月東郷町、同10月長久手市が2016年度中に始める。しかし、それ以外の44自治体は、2017年4月を予定している。要支援者や要介護1・2の利用者が介護保険から排除されることのないよう、見守りが必要である。

愛知の2つの生存権裁判

生活保護切り下げ取消裁判 3月17日第5回口頭弁論
第6回6月16日14時30分~名古屋地方裁判所大法廷

第6回を迎えた生活保護切り下げ取消裁判は、100名の支援者・原告・弁護団の参加で行われた。原告からは、第7準備書面「生活保護利用者の生活実態総論」を提出し、その要約を代理人が読み上げた。次回6月には、今回の参加を上回る傍聴参加を呼び掛ける。また、支援組織の会員も募集している。
年金引下げは憲法違反!年金裁判第1回口頭弁論2月25日260名が傍聴、集会参加
第2回5月25日14時30分~名古屋地方裁判所大法廷

全国で4000人超、愛知で407人が原告という大型裁判である。愛知では、第1回の口頭弁論が2月25日に開かれた。3人の原告が意見陳述し、年金引下げの不当性について訴えた。報告集会では、引き続き運動の強化を支援者全体で確認した。すでに「愛知の年金引下げ違憲訴訟を支援する会」が1月に発足している。

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