社保協ニュース : No.163– 2016.8.31

8月31日、年金引下げ取消裁判第3回口頭弁論

原告2人が陳述、200名超の参加者で傍聴・集会

8月31日午後2時30分から第3回の口頭弁論が行われ、大法廷は傍聴者が満杯、抽選に漏れた参加者は桜華会館で待機し、終了後の報告集会に合流しました。
2人の原告が意見陳述。障害年金を6万円受給し、さくらんぼ作業所で働き4万5千円の給料と生活保護を受けながら生活している知的障害をもつAさん32歳。「年金も生活保護費もさがった。消費税は上がり生活が苦しい。給料と年金だけで生活できるように、年金は引き下げないでほしい」。
一宮市在住の田中さん。「軽費老人ホームに住んでいる。年金は年額60万5078円、2か月に1回振り込まれるが月付き介護保険料11,600円。後期高齢者医療8,200円、住民税800円。手元に残るのは42,223円。支出は毎月72,582円なので不足分は個人年金と預金で補てんしている。安心して暮らせる年金にしてほしい」など、それぞれ、生活の実態を語り年金削減の中止を訴えました。
報告集会では、参加者からは質問や要望がだされ、弁護団からは、今後の裁判の進め方など報告されました。
弁護団からは、「国の答弁書に対する『求釈明』にたいする答弁書が出た。反論は、まず概括的に、憲法論を25条や29条を中心に展開する。一方で生活実態など原告の陳述を併行しながら進める予定である」と報告されました。会場からは、署名等で包囲する運動が必要などの意見が出され、裁判勝利に向けた意思統一がされました。
%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%91
年金引下げ取消を求める裁判の予定
第4回口頭弁論10月20日
第5回口頭弁論1月23日
いずれも、名古屋高等裁判所大法廷 受付1時30分~ 開廷午後2時30分~


2016年兵庫生存権・最高裁勝利中央キャラバンが8/10愛知入り

名古屋駅新幹線口前にて三重県から引継式。18日の静岡引継ぎまで、県と名古屋、一宮、春日井、豊田、岡崎、豊橋の中核市を訪問し、申し入れや宣伝行動に取り組む。
連日猛暑の続く中、8月10日午前10時から名古屋駅新幹線口前で、三重県からの引継ぎ式を行いました。愛知の生活基準引き下げ反対連絡会から、代表榑松佐一愛労連議長と浅田光治生活と健康を守る会愛知県連代表、事務局長の小松民子社保協事務局長、生活と健康を守る会会員、岐阜県から生存権アクションぎふの代表3名含め合計12名が参加しました。
%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%94
引継ぎに当たり、三重県の代表花岡俊雄・四日市生活と健康を守る会事務局長から、「人間らしい生活を保障せよ!」の横断幕を受け取りました。引き継いだ浅田代表は、「格差と貧困が広がり、賀詞や孤独死が相次いでいる。生活保護は最後のセーフティネット、裁判勝利へ支援を」と訴えました。

その後愛知県と名古屋市を訪問し、愛知県大村知事と名古屋市河村市長に事前に提出した「6項目」の要請について、各担当課の代表と懇談しました。老齢加算復活裁判への支援を要請するとともに、全体の引き下げを元に戻すように、国へ要望することを要請しましたが、愛知県には14名が、名古屋市には15名が参加しました。要請団からは、兵庫生存権裁判最高裁勝利中央キャラバンの意義と目的を説明し、同時に6つの要請項目について対策を強めることを要請しました。
%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%96
愛知県は「実施機関へ指導する立場から、要請内容を受け止め検討する」。
名古屋市は、「考え方、基本的立ち位置について」6つの要請項目についてコメントしました。「8条により厚生労働大臣が定め、それを遵守する」立場であり、国に基準改正を求めるのは難しい。「高齢者手当を市で措置することは困難」など回答。また、「水際作戦」について、「役人と申請者の立場の違いもある。申請権を侵害するようなことはないと思うが、引き続き努力する」、「就労能力のある人にたいし、無理強いはしないように、きめ細かく対応する」、「就学援助は、25年度基準で対応しており影響は出ていない。最賃と生保は整合性があるべき」等、回答されました。
榑松代表は、「熱中症の発生が異常事態、受給者の状況を調査し対策を取ってほしい。また、高校生のアルバイト問題が、届出しない、親も知らないので後になって問題になる。外国語でのバイト問題の説明書など充実して欲しい」など、要請しました。
参加者からも、酷暑の中でも冷房をつけることも躊躇する状況が多いと、訴えられました。名古屋市では昔、盆暮れの手当があったことが話され、せめて「夏期一時金=氷代復活を」と訴えました。
名古屋市・栄スカイル前宣伝、12日(金)一宮市と春日井市へ、17日(水)豊田市、岡崎市、豊橋市への要請と豊橋駅前宣伝。行動全体は7自治体との懇談に66人が参加。議員も共産党県議2名、訪問市の議員7名が参加しました。生健会の各支部のみなさんが大奮闘でした。
%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%98

兵庫生存権裁判キャラバン報告書(1)
■訪問先: 一宮市
■日 時: 2016年8月12日(金)11時~11時50分
■出 席: 一宮市生活福祉課 澤田課長、上田係長
キャラバン参加者 浅田(生健会)、島崎(民医連)、浅野(尾張健友会)、一宮生健会2人、一宮民商1人、小関・橋本(一宮市議)・・・以上8人
■内 容:
◇進行を島崎さん(民医連)が務め、浅田さん(生健会)から要請書の提出がされた。
◇浅田さんは「社会保障の後退は、日本も批准している国際人権規約でしてはならないことが定められている。また、憲法25条の観点からも許されることではない。生存権裁判として生保の老齢加算と母子加算の削減・廃止が争われ、今回は兵庫の最高裁訴訟への支援キャラバンとして訪問したので、要望の実現についてご尽力いただきたい」と申し入れた。
◇続く懇談では、生保の受給世帯・人数を「およそ2,500世帯・3,200人」であり、「そのうち半分は65歳以上が占め、ゆるやかな増加傾向にあります」と説明した。生活保護の捕捉率は?との質問には「データがありません」との回答。
◇「一宮市ではいわゆる水際作戦はないと断言できるか?」との質問には「間違ってもしていません」「まずは申請を受けるようにしています」「もしも受けたという話を聞かれたならお知らせいただきたい」との説明。受給希望者の家族へ“扶養や支援が可能か”を問い合わせることについては、「国からのきびしい指導があり問い合わせはするが、DVや借金トラブル、何年も音信不通のケースではしないようにしている。トラブルにならないようにしないといけない」との回答。キャラバン側からは「生活保護を恥ずかしいことと受け止めて家族に知られる位なら受けないほうがマシと思うかたもある。しかし生保は最後の命綱なので、先ほど言われたケースと同様の判断を相談窓口の現場判断でしてほしい」と要請がされた。
◇キャラバン側より「猛暑続きでも生保受給者のなかにはお金がないからとエアコンを切っている方が多い。市が独自に“見舞い金”のような形で援助をしてほしい」「市営住宅の一人暮らしの高齢者も同様のがまんをしているようだ。ただ、民生委員さんも実情がつかめず困っている」との意見もあった。
◇65歳以前の障害者で生活保護を受けている世帯数の質問があり、「1~2割、250世帯位」との回答。後期高齢への移行後も生保同様の支援ができるようにとの要請がされた。
■要請後、一宮駅前に移動し15分程度の宣伝行動を実施した。

兵庫生存権裁判キャラバン報告書(2)
■訪問先: 春日井市
■日 時: 2016年8月12日(金)13時45分~14時25分
■出 席: 春日井市健康福祉部生活支援課・金子課長補佐、同生活援護課・黒田課長補佐
キャラバン参加者 浅田(生健会)、島崎(民医連)、浅野(尾張健友会)、宮地(春日井市議)
■内 容:
◇浅田さんは「社会保障の後退は、日本も批准している国際人権規約でしてはならないことが定められている。また、憲法25条の観点からも許されることではない。生存権裁判として生保の老齢加算と母子加算の削減・廃止が争われ、今回は兵庫の最高裁訴訟への支援キャラバンとして訪問したので、要望の実現についてご尽力いただきたい」と申し入れた。
◇続く懇談では、補足率の質問が出されたが、「把握していない。相談センターでは相談に乗っています」との回答だった。キャラバン側より「猛暑続きでも生保受給者のなかにはお金がないからとエアコンを切っている方が多い。市が独自に“見舞い金”のような形で援助をしてほしい」と要請。また、「“水際作戦”が社会問題になったりするが、春日井市ではどうか?」については「3人配置し傾聴に努めるなど、そういうことがないようにしている」との回答。
◇受給希望者の家族へ“扶養や支援が可能か”を問い合わせることについては、「国の指導もあり、援助が可能かお聞きすることはしている。ただ、DV、金銭トラブル、何年も音信不通という場合は連絡しないようにこちらで判断している」との回答があったが、キャラバン側より「それが“水際作戦”だ。国会答弁では家族への連絡は“極めて限定的な場合に限って“と繰り返し言っている。現場でそれを知らないのでは困る」と指摘し、「DVなどのケースと同様の判断を相談窓口の現場判断でしてほしい」と要請しました。
◇また、受給者の身近な方から「パチンコばかりしている」「酒浸りだ」などの情報提供を奨励する“密告条例”を作ったところがあるが、春日井市はどうか?との質問に、「実は情報提供はけっこう来ています。しかしどう使うかは本人の自由と対応しています。密告条例をつくる意思はないです」との回答だった。
◇謝辞を述べ、要請を終了した。
■宣伝行動は時間のとれる人数が少なかったため実施できなかった。

愛知社保協当面の行動
9月10日 愛知国保運動交流集会 保険医協会伏見会議室
9月24日 社保協介護運動交流集会&愛知ケアマネの会総会
9月26日 理事会
9月27日 国保対策委員会
10月2日 介護労働者のつどい
10月6~8日 中央社保学校in 高知
10月13日 愛知高齢者大会
10月20日 年金裁判第4回口頭弁論
10月20日 いのち守る国民集会(東京)
10月23日 愛知地域医療学習交流集会
10月24日 生活保護切り下げ取消裁判 第7回口頭弁論
10月25日~28日 あいち自治体キャラバン行動

カテゴリー: 社保協ニュース パーマリンク

コメントは停止中です。