介護保険法案の改定に関する要請(2014年2月19日)

2014年2月19日

愛知県および東海ブロック選出 地元国会議員 各位

愛知社会保障推進協議会
議長 森谷光夫

2014年2月12日提出された「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」(以下、地域医療・介護総合推進法案)は、同日国会に提出され今国会での成立が目指されています。実施は、2015年からというものの、政府の社会保障制度改革の「重点化・効率化」方針に沿った見直しであり、新たな負担増を招く内容となっています。
改定の内容は、介護保険の利用料負担を一定収入がある人は1割から2割に引き上げる、年金生活の単身高齢者で年収280万円以上が対象となり、介護利用者の20%にあたる50万人程度に影響を与えます(15年8月)。また、「要支援1・2」の通所介護(ディサービス)・訪問介護(ホームヘルプ)を段階的に市町村事業に移す。特別養護老人ホームの入居は原則「要介護3以上」に限定する(15年4月)。入居時の居住費や食費を補助する補足給付に関しては、預貯金が単身者で1千万円・夫婦で2千万円を超える場合は対象からはずす(15年8月)など、利用者負担の増加が柱になっています。
中央社会保障推進協議会の全国アンケート調査では、移管される側の自治体では、「財政的にも体制的にも無理」の回答が寄せられています。なにより、利用料等の負担増から「利用制限」の結果、介護の重度化の悪循環は避けなければなりません。
この間の介護保険見直し検討の中で、利用者の負担増、軽度者の切り捨てなどは、利用者、事業者をはじめ介護現場で働く人たちにさまざまな影響を及ぼすとし、改善を求めてきました。ヘルパーの生活援助時間短縮による利用者の日常生活への深刻な困難や、訪問介護等の介護報酬の引き下げにより、小規模事業所では事業の縮小・廃止に追いやられます。
何よりも、介護現場を支える介護労働者の人手不足を解消するための具体策は何ら触れられていません。介護サービス利用者と介護現場が抱える困難を早急に改善し、介護に働くすべての職員が生き生きと働けるよう、介護保険制度の改善を緊急に要請します。

<要請項目>

  1. 保険料の値上げや利用料負担の2割化など、負担増はやめ軽減すること。
  2. 要支援1・2の保険外しにつながる通所・訪問介護の市町村事業への移行や特養入所の原則「介護度3以上」などは中止すること。
  3. 国の責任で、施設の人員配置基準の引き上げや抜本的な処遇改善を実施すること。

以上

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