社保協ニュース : No.149 – 2014.8.1

7月31日、「健康で文化的な生活」へ愛知から16人が集団提訴。全国訴訟ネット5県112人に

記者会見にマスコミ各社が参加し、NHK、名古屋TV、中日、朝日、毎日等各紙で報道

20170731-27月31日、名古屋地裁に対し原告16人が、国と名古屋、豊橋、刈谷、高浜の4市を相手に、引き下げの取り消しと国家賠償を求める行政訴訟を起こしました。提訴にあたっては、原告や支援者が多数参加しました。
提訴後会場を移した記者会見は、多数の報道陣が駆けつけ、内河弁護団長の挨拶や、森弁護団事務局長からの経過報告に続き、原告の思いなど熱心な取材がされました。
内河弁護団長は、「生存権訴訟は、実質的には生活保護の住宅切り下げ等、話題になっている問題がメイン。処分の取り消しを求める行政訴訟に加えて国家賠償裁判になる。今回の訴訟を通して“生活のあり方を考える”機会になればと考える。憲法で保障される、健康で文化的な生活の実現にむけ、国と自治体へ問い詰めていきたい」と挨拶しました。
また、森弁護団事務局長からは、「本日原告16人が提訴した。引き続き追加の予定である。代理人も16人。被告は、4市である。昨年8月からの保護費切り下げに対し、佐賀と熊本に続いた愛知の提訴である。独自に『国に対する賠償請求』を加えた。生存権の侵害は、生きていくうえで重大な問題。生活保護基準の引き下げが、社会保障のセーフティーネット・ナショナルミニマムの問題。たとえば、就学援助や住民税非課税基準等々38施策以上に連動し、日本の社会保障の根幹を揺るがす。すでに、生活保護基準の引き下げに続き、年金の引き下げや、医療・介護など社会保障制度の改悪がすすめられている。原告や我々の問題意識は、日本の社会保障をどうするのかということである。今回の引き下げは、専門家が言う以上の削減が強行されている。勝利に向け、訴えを強めていきたい」と報告した。
記者からは、原告の意思を表明してほしいと質問があり、代表が発言した。
原告の豆成さんは、「結核になり、29歳から生活保護を受けた。豊橋に転居し、平成6年にペースメーカーを入れ生活保護を再度受け、現在に至る。金額的にはわずかではあるが、黙っていたら減額が押し寄せる。多くのみなさんの代表として訴えた。今でも、節約は努力している。冷蔵庫に入れるものはすぐに痛むので買わず、冷凍のものを利用する。光熱費も節約。夏はシャワーだけ、電気はつけない。残り湯を洗濯に使い、トイレを流し、ベランダや廊下を掃除する。衣類は、善意銀行やデパートの無料配布を利用する。困るのは、電気製品購入の為に貯金をすると、これが通帳にたまると保護費が削減されるので、購入できなくなる」と発言。
また、原告の澤村さんは、「お風呂は、2日に1回、冬は2週間に1回。服は買ったことがない。よく、パチンコとか言われるが、一部の人に過ぎないのに、攻撃の材料にされ、きちんと生活している人が追い込まれる」と発言。
記者の質問にたいし、「国賠は1万円を求める。愛知のほか埼玉など準備。埼玉、三重は8月1日に提訴する」と森事務局長は補足。内河弁護団長は、国賠訴訟について、「弁護士の立場で言えば、それ相応の金額を求めてもいい。しかし、生活保護へのバッシングも引き続き大きなものがあり、文化の背景にある。受給者のプレッシャーは大きなものであることも理解し、裁判支援を強めたい」と補強しました。
生活と健康を守る会の浅田さんは、「健康で文化的な生活とは、食べて健康でありさえすればいいのではない。社会から疎外される現実、友人の葬儀にも参列できない等の問題などある」。
記者会見終了後、県庁前で宣伝行動を行い、裁判支援を訴え、この日の行動を終了しました。

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