協会けんぽの「3月保険料引き上げ、傷病手当・出産手当の削減案」についての要請書(2010年2月25日)

2010年2月25日

 全国健康保険協会愛知支部支部長  広瀬 茂  殿

愛知県社会保障推進協議会
議 長     徳 田 秋

 協会けんぽの「3月保険料引き上げ、傷病手当・出産手当の削減案」についての要請書

  貴職の日夜の奮闘に敬意を表します。

政府は、2月12日の閣議で、全国健康保険協会(協会けんぽ)の健康保険法等見直し案を決定し、さらに、健康保険料の上限を12/100としています。また、厚生労働大臣は、都道府県別の保険料を認可しました。加えて介護保険料率も、現行の1.19%から1.5%に引き上げられ、あわせると愛知支部は、10.83%の大幅な引き上げになります。

健康保険協会愛知支部として保険料の大幅な引き上げ(現行8.19%から9.33%)の撤回と傷病手当・出産手当の削減の検討をやめるよう全国健康保険協会に求めるよう要請します。

「協会けんぽ」は、中小零細企業に働く従業員を中心にした健康保険であり今回の改定は、被用者・家族3500万人に多大な影響を及ぼします。

いま、深刻な経済不況のなかで今回の保険料の大幅な引き上げや傷病手当・出産手当の削減を実施しようとしていることは容認できません。出産手当は、少子高齢化対策として07年度に改善されたばかりであり、傷病手当も生活支援の中心的な役割を果たしています。

さらに、「協会けんぽ」の赤字を「民間組織になったから」と言う理由で、銀行借り入れを指導し、その利息負担を保険料引き上げに転嫁していく手法は、「生活第一」「いのちを守る」という民主党の鳩山政権の公約や政治姿勢にも反するものです。

「協会けんぽ」が、その組織改編の謳い文句として「被保険者の要望に沿った運営」を掲げているにもかかわらず、被保険者の意見を全く聞かず、このような決定を行ったこと、またその方向で指導した厚生労働省に対し、強く抗議し、その撤回を求めます。

労働者の賃金は年々減少していますが、これが「協会けんぽ」の保険収入の伸び悩みの主要な原因になっていると思います。「協会けんぽ」の過重な負担を軽減するためには、国の財政支援の継続・拡大が引き続き必要です。

私たちは、労働者・家族の生活と健康を守り、中小零細企業の経営を守るために、今回の一方的な決定に抗議し以下の実現を強く要請します。

  1. 健康保険法の国庫補助率を現行の13%から20%に引き上げるよう国に求めること。
  2. 健康保険協会愛知支部は、保険料の大幅な引き上げを撤回すること。
  3. 傷病手当金・出産手当を減額しないよう全国健康保険協会に求めること。
  4. 赤字の協会支部に対して、無利息の公的貸し付けを行うよう全国健康保険協会に求めること。

以 上

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