社保協ニュース : No.171– 2018.8.7

愛知社保協・県医労連 愛知県交渉

8月3日「地域医療と公的医療の充実・強化を求める要請」
―全医労愛知地区協議会ニュースNO.2017-120より―
8月3日、『地域医療と公的医療の充実・強化を求める要請』を議題に、愛知県交渉を行いました。昨年秋に、「公的医療機関等2025プラン」を各公的医療機関が策定させられ、3月に改訂した「地域保健医療計画」で、公立病院とともに公的医療機関の位置づけ等をしっかりと行い、県内の医療充実を求めて、愛知県社保協とともに、県医労連に加盟する「公的医療機関等」の組織も連名で要請書を昨年末に提出していましたが、県交渉がようやく実現しました。交渉には、12名が参加、県からは各担当者ら9名が出席し回答しました。


交渉の中では、以下の内容で、より詳しく回答が補強されました。
<質問>2015年の病床数58,975床から2017年には56,536床へと▲2,439床も減ってしまった理由は?
<県の回答>病床数のカウントには様々な補正等、数値の操作を行っており、その影響も考えられるが、詳細な分析は出来ていない。(再度、分析―原因の掘り下げを要請)
<質問>2017年度の「病床機能報告」が明らかとなり、6年後の2023年の予定数も明らかにされたが、その中に、新たに「介護保険施設等」が追加されているが?
<県の回答>病床機能報告は、あくまで各医療機関からの報告に基づき集計された数値である。回復期が千床程度増加、また、介護保険施設等が千床程新規に表示されているのは、「介護医療院」等の介護保険適用病床への転換計画数の総計。
<質問>県地域保健医療計画は6年間の計画だが、中間見直しの予定はあるのか?
<県の回答>3年後に中間見直しを予定している
<質問>3指標(既存病床・基準病床・必要病床)の比較では、これまでは必要病床数が一番少なく、県全体では1,200床の過剰県であったが、3月の保健医療計画改定で、1,200床の不足県となった。県内の病床数は必要数に足りないという事は、病床整備に対しどのような対策を講じるのか?
<県の回答>既存病床(56,536床)のカウントは、様々な補正があり、許可病床数とは違う。よって、一概に必要病床にたいし不足とまでは言えない。過不足も含めて、地域の調整会議の中で、調整して行く。
<質問>地域医療構想では、過剰な病床対策と効率化で、病床稼働率が80%満たないところでの改善と、病床削減強化を打ち出している。公立も公的もそれぞれ経営が厳しく、経営効率化とともに、利益確保最優先で、結局、減量経営という病床削減に走っているのではないか?病棟の混合診療科も進み、職場に全く余裕がなくなっている。その結果、さらに退職者が増え、職場は悪循環に陥っているのではないか?安易な減量経営は職員にも、患者さんにとっても不利益になるだけではないか?
<質問>災害対策はどうなっているのか?現状のギリギリな運営状況では、いざという時に機能しないのではないか?
<県の回答>災害拠点病院におけるBCPマニュアルは、今年度中に策定するよう指示されている。拠点病院に対しては一定の予算規模で施設・設備投資補助があり、個別の要望に応じ精査し予算化している。
<質問>重心病床の考え方は?
<県の回答>重心病床は、病床機能報告では「慢性期」で報告され、必要病床の慢性期カウントには入る。既存病床数にはカウントしないこととなっており、必要に応じて病床整備を行っている。
<質問>精神医療において、県の計画目標では、3千人を超える「地域移行」の整備目標が掲げられているが、目標達成できるのか?
<県の回答>精神障害にも対応した「地域包括ケアシステム」を構築して対応できるよう努力している。
<質問>看護師確保対策として、保育所等補助以外に対策は?
<県の回答>看護師養成所県内55カ所への補助、専門分野資格取得への補助、へき地対策奨学金など
<質問・要望>看護師確保対策としても、県の奨学金は廃止ではなく存続・拡充をすべき。
<質問>看護師確保の「第8次需給見通し」は?
<県の回答>今年度、国が計画策定の指示を準備するとの情報はあるが、まだ出ていない。
<質問・要望>看護調査結果は今の現場が深刻になっていることがはっきりしている。離職防止のための緊急対策を強化すべき。労働組合がある職場は少なく、県が率先し、全体に行き渡る施策を強化してほしい。
<質問・要望>介護の現場は、看護で起きてきたことが何十年遅れで起きている。一人夜勤問題を見れば良くわかる。看護の現場で起きてきたことの繰り返しにならないよう、対策を強化して行くべき。

交渉は、1時間30分程の時間で行われました。
交渉団側からは小松社保協事務局長が「昨年12月に提出した要請書であり、こんなに時間がかかってしまった。自治体キャラバンの県との懇談もあるが、医療と介護の一体改革は、「我が事丸ごと」地域共生社会にむけ準備が進められる。現場も厳しい状況。引き続きさらに詳しく個別の懇談を継続していただき、情報共有と、対策強化をお願いしたい」とまとめのあいさつを行いました。
県側からは、「今日ご意見を頂いた内容や、現場の実態も含めた資料を頂き、今後の施策の参考にさせていただきます」とまとめました。

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