介護保険要支援者への保険給付継続のため、国に意見書提出を求める陳情書(2013年12月4日)

2013年12月4日

愛知県議会議長  久保田 浩文  様

(陳情団体) 愛知県社会保障推進協議会
議長 森谷 光夫
名古屋市熱田区沢下町9-7
労働会館東館3階301号

【陳情趣旨】
国は来年の通常国会に提出予定の介護保険法改正案において、すべての要支援者(要支援1,2)を市町村が実施する事業に移し替える方向を打ち出しています。受け皿となる市町村の事業(地域支援事業)には、サービスの質や運営に関わる国の基準は設けず、ボランテイアでも対応可能なものとして検討されています。サービスの内容や自己負担額などすべて市町村任せということです。このままでは現行の予防サービスの水準から大幅に後退したものになることは間違いありません。
要支援者は、介護サービスの必要がない「支援不要」者ではありません。様々な疾病や障がいを抱えながら訪問介護や通所サービスを利用することによって在宅での生活を続けている方がたくさんいます。現在の予防給付には訪問看護をはじめとする医療系サービスも含まれていますが、その打ち切りは命に直結することになります。予防給付をなくし専門職であるヘルパーとの関わりを奪うことは、認知症の「早期発見・早期対応」を掲げた厚労省の認知症施策(オレンジプラン)の内容にも逆行するものです。
また、要支援者を保険給付から外すことで、必要な支援ができずに逆に介護度が上がり、市町村の介護保険財政の圧迫につながる可能性もあります。
以上のように、大変に問題が多い要支援者の保険給付外しの検討を止めさせ、保険給付継続のために、国に対して「介護保険要支援者の保険給付外しをせず、保険給付を継続すること」を求める意見書を提出してくださるよう陳情します。

【陳情事項】

  1. 国に「介護保険要支援者の保険給付外しをせず、保険給付を継続すること」を求める意見書を提出してください。

以上


<意見書案>

介護保険要支援者への保険給付の継続を求める意見書

厚生労働省は、社会保障審議会介護保険部会において、介護保険で「要支援」と認定された高齢者を保険給付から外し、市町村が実施する「新しい地域支援事業」に移行する方針を示した。この事業は、市町村が地域の実情に応じて行なうこととなり、サービス内容は市町村の裁量に任される。しかし、その費用に、一定の上限が設けられる可能性があり、市町村の介護保険財政や高齢者が受けるサービスの内容、小規模な事業所の経営等に悪影響を及ぼしかねない。
要支援のサービスを利用している高齢者は、歩く力が弱く、判断能力が多少落ちている人のほか、脳梗塞で軽い麻痺が残る人たちである。そのため、掃除や買い物などの家事で本人ができない部分を訪問介護員に手伝ってもらいながら日常生活を送っているほか、通所介護では介護予防を目的とした運動に取り組んでいる。また、認知症の人にとっては、初期の段階でしっかりとしたケアを受けることが重症化の予防となっている。
このように、要支援者を対象とした介護予防事業をしっかりと進めれば、介護が必要な高齢者の増加を抑制することができる。しかし、要支援者を保険給付から外すことにより、高齢者の重症化が進み、介護保険財政の圧迫につながる可能性が生ずる。
よって、政府においては、要支援者への保険給付を引き続き継続するよう強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成○○年○○月○○日
○○市町村議会

提出先
内閣総理大臣 宛
厚生労働大臣 宛

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