2007年6月21日
愛知県知事 神田 真秋 殿
愛知県社会保障推進協議会
議長 徳田 秋
コムスン問題の解決を求める要請書
訪問介護最大手のコムスンに対して、介護保険の指定を受ける際にヘルパー数を水増しする等の虚偽申請があったとして、厚生労働省より新規開設・更新申請を認めないよう都道府県に通知がおこなわれました。さらに障害者福祉サービスにおいても「不正の手段により指定を受けた」ことが明らかになり、介護保険と同様の通知が出されています。
マスコミでも大きく取り上げられ、利用者や介護従事者をはじめ県民が大きな衝撃を受け、大きな社会問題になっています。
今回の事態は、介護保険制度の発足当時から介護という領域を、営利を目的とした企業が参入できる制度とし、介護における公的責任の切り捨てを進めてきた結果です。
また、昨年の介護保険制度の改定、障害者自立支援法の制定により、人員配置基準も介護報酬も低く押さえられ、そのしわ寄せは、特に中小の事業所の経営危機を招くとともに、ヘルパーなど働く人に及び、介護サービスの確保や質の低下だけでなく介護事故の増加など、利用者の安全と安心が脅かされています。
つきましては、愛知県も相談窓口を設置し対応策をとり、利用者等の不安等に対する措置などを進めていますが、次の点の対応をしていただくよう要請します。
記
1.今回の事態で最も被害を受けるのは介護を受ける利用者です。事業所の廃止によって、必要な介護サービスが途切れることのないよう、自治体が責任をもって対応すること。また、事業所に働く介護職員の雇用も含め、不安・相談にも対応すること。
2.コムスン利用者の介護サービスの受け皿となるサービスの確保については、自治体の窓口相談に終わることなく自治体が責任をもって実施するとともに、社会福祉協議会など非営利法人のサービス実施を拡大すること。
3.質のよい介護サービスの提供が保障できる介護報酬に改善すること。
以上