2011年5月2日
名古屋市長 河村たかし 様
名古屋の国保と高齢者医療をよくする市民の会
愛知県社会保障推進協議会
代表 徳 田 秋
(名古屋市熱田区沢下町9-7)
国民健康保険の改善を求める要請書
拝啓 貴台には、ますますご清栄のことと存じます。日頃より名古屋市民の健康と福祉を守る活動に敬意を表します。
私ども名古屋の国保と高齢者医療をよくする市民の会および愛知県社会保障推進協議会は、国民健康保険や医療・福祉の改善のための運動をすすめている団体です。
名古屋市の保険料(2010年度予算)は、18政令市の中で6番目に高い保険料になっています。3年前には、17政令市の中で、高い方から14番目(低い方から4番目)であったことを考えると、名古屋市の引き上げ幅がいかに急激であったかが分かります。
私たちは、国保料の引き下げ、資格証明書の発行中止など名古屋市国保の改善を求める請願を、昨年までに3年連続提出し、寄せられた個人請願署名は10万筆を超えています。
国保は中小業者、高齢者、非正規や無職の若者など、他の医療保険に入れない人が最後に入る医療保険、医療のセーフティネットであり、憲法に基づいて国民のいのちと健康を支えるかけがいのない社会保障制度です。保険料が払えないために「無保険」状態に置かれ、生命を落としたり、受診が遅れて病気を悪化させることがあってはなりません。
私たちは、国民健康保険法第1条の目的に示された「社会保障としての国民健康保険制度」となるように、以下の事項の実現を強く求めます。
記
1.国保料を1人平均1万円以上引き下げてください。
①保険料未納分、葬祭費、出産育児一時金などの費用は、保険料に上乗せすることなく、一般財源でまかなってください。
②国保料の減免制度を拡充してください。
ア.18歳未満の子どもについては、均等割の対象としないでください。当面、一宮市のように18歳未満の子どもの均等割保険料を軽減してください。
イ.所得激減による名古屋市の減免要件は、「前年所得1000万円以下で、当年見込み所得が264万円以下、かつ、当年の前年所得減少割合8/10以下」となっており、「当年見込み所得が264万円以下」の要件が厳しすぎます。せめて、豊橋市のように「前年所得600万円以下で、当年の所得減少割合8/10以下」とし、当年見込み所得の要件を設けないでください。
2.国保の資格証明書の発行について、次の点を考慮してください。
①「資格証明書の発行は市民との縁切り宣言」という観点を重視し、原則として資格証明書の発行はおこなわないでください。
②やむを得ず資格証明書を発行する場合、必ず次の点を厳守してください。
ア.資格証明書を発行する前に必ず面談して、世帯の実態を把握するものとし、面談なしには絶対に発行しないでください。
イ.福祉医療の対象者のいる世帯には、資格証明書を発行しないでください。
ウ.特別障害者手当受給限度額以下の世帯には、資格証明書を発行しないでください。
エ.医療の必要が生じ、被保険者から医療費の一時払いが困難である旨申し出があった場合、無条件で短期保険証を発行してください。
3.短期保険証の発行について、次の点を考慮してください。
①保険料を分納している世帯には正規の保険証を発行してください。
②やむを得ず短期保険証を発行する場合、短期保険証の有効期限は「6カ月以上」とし、有効期限が1カ月に満たない極めて短期の保険証は発行しないでください。
4.保険料を払いきれない加入者の生活実態の把握に努め、加入者の生活実態を無視した保険料の徴収や差押えなど制裁行政をしないでください。
5.事実上の無保険者を生む「保険証の留め置き」は、直ちに解消してください。
6.国保運営協議会に公募枠の委員を加えてください。国保運営協議会の議事録は、発言内容が分かるような内容とし、開催後速やかにホームページなどで公表してください。
7.国保料所得割算定方式の「旧ただし書き方式」への変更は行わないでください。住民税額方式を「旧ただし書き方式」に変更した場合のモデルケース別の影響を試算し、公表してください。
以上