高齢者に負担増と差別医療を強いる後期高齢者医療制度の中止・撤回を求めての申し入れ書(2008年4月30日)

2008年4月30日

医療団体各位

名古屋市熱田区沢下町9-7
愛知県社会保障推進協議会
議 長   徳田 秋

高齢者に負担増と差別医療を強いる後期高齢者医療制度の中止・撤回を求めての申し入れ書

 日頃の貴会の活動に敬意を表します。

 ご承知のとおり、4月1日、政府は75歳以上を対象に「後期高齢者医療制度」を実施しました。同制度は(1)これまで保険料負担のなかった扶養家族を含めて、75歳以上の全ての高齢者から保険料を徴収する、(2)月額1万5000円以上の年金受給者は年金から保険料を天引きする、(3)保険料滞納者は保険証を取り上げ、窓口で医療費全額を負担させる、(4)75歳以上を対象にした独自の診療報酬を設定するなど高齢者に差別医療を強いるものです。さらに、65~74歳の国保料を年金から天引きし、70~74歳の窓口負担を1割から2割へ引き上げ、負担を押しつけようとしています。

 実施以降、マスコミでも連日報道されているように、広域連合や自治体窓口には抗議の電話が殺到しているのもご承知のことと思います。

 愛知県内でも新聞報道で4月21日現在でも2145人(4月1日8713人)に保険証が届いていません。知事自身も「制度が複雑、周知徹底不足」と謝罪するなどの事態になっています。

 私どもが4月25日・26日おこなった「後期高齢者医療・年金何でも相談」には86件の相談が寄せられ「後期高齢者医療の保険料がこんなに高くなるとは思わなかった」「この先どうやって暮らしていったらいいか」など不安と怒りの声が寄せられました。

 福田首相は「長寿医療制度」という名称を持ち出し、「説明不足が原因だからわかりやすく説明を」などと言っていますが、国民が怒り、中止・撤回を求めているのはそんなことが理由ではありません。高齢者の医療費削減を目的とする後期高齢者医療制度が高齢者に「早く死ね」と言わんばかりの「うば捨て制度」であり、憲法に保障された生存権も基本的人権も、人としての尊厳をも踏みにじるものであるからです。

 制度の「中止・撤回」を求める地方議会意見書も4月9日現在564議会に達しています。4月1日に政府は実施に踏み切りましたが、高齢者に負担増と差別医療を強いる後期高齢者医療制度の中止撤回を求める声は益々大きくなっています。

 私どもは、これまで別紙の署名にとりくみ地元国会議員を訪問し、「中止・撤回」署名の紹介議員のお願いとあわせて2月28日野党4党共同提出の「廃止法案」の早期の審議入りと徹底審議を要請しているところです。

 つきましては、貴会においても、下記事項の実現に向けて署名の協力や議会への陳情などご尽力いただきますよう申し入れます。

  1. 後期高齢者医療制度は、中止・撤回すること。
  2. 70~74歳の窓口負担の2割への引き上げを止めること。
  3. 医療に使う国の予算を増やし、高齢者・国民が安心して医療をうけられるようにすること。

以上

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